僕とクラシック音楽とCD夜話(8)-我が家にCDプレーヤーがやってきた
《我が家にCDプレーヤーがやってきた》
僕が最後のレコードを買ったのが'80年代初めだったことは前回の回で説明したが、最初のCDを買ったのは1992年とそれから約10年後だった。
最初に買ったCDはこのドイツグラモフォンの2枚看板だ。
この頃は、同じタイトルをレコードでも併売しており、CDのフルプライス盤の方は3千円。
ポリーニ(P) ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」・第15番「田園」・第13番 1991年録音
ポリーニのベートーヴェンのソナタは鉄壁で隙のない演奏だ。
カラヤン指揮ベルリンフィル ワーグナー:管弦楽集 1982年録音
皇帝がワーグナーのエッセンスを伝える1枚。皇帝とワーグナーはベストマッチでかっこ良い。
《30代の或る日…》
学卒後、実家に戻った僕は、就職、結婚や子供の誕生など人生のイベントも満載でクラシック音楽を楽しむことからは疎遠になっていた。
たまにレコードを聴くときも大学時代に買ったミニコンポで十分だった。
何故この時、僕がオーディオを買い換えて、CDを聴こうと考えたかはもう覚えていないが、CDを聴こうすれば先ずはCDプレーヤーを購入する必要がある訳で、久しぶりにオーディオショップを訪ねた時のことは良く覚えている。
オーディオブームが去った地方都市の老舗オーディオ店は家電売り場が1階の一番良い位置を占めていた。2階に追いやられたオーディオコーナーで中級機一式を購入した。(その時担当してくれた店員が、偶然近所に住む下級生だったため、少し多めに値引きしてもらった)
SONY CDP-555ESA
アドバンスト・D/Aコンバーター、新機構メガデッキ搭載のESメインストリーム機
中級機といえども当時は原価をかけて手抜き無しの日本製だ。トレイの開閉も静かでガタも無く、DACは流石に少し固い音を出していた。
SUNSUI AU-α607DR
プリメインアンプは、定評のある山水の中級機で、CDからの信号に色づけしないソースダイレクトモードで聴いていた。
DIATONE DS-77Z
30cmウーファー搭載3WAYブックシェルフ型スピーカー 専用代も購入。まだこの頃のスピーカーは、大口径のウーファーを搭載するほど良く低音が出るという信仰があった。
CDよりレコードの暖かい音が好きだという方も少なくないが、高級機を完全なセッティングで聴くことなど出来ない僕にとっては、レコードのピチピチという雑音の中にppの音が埋もれてしまうことが昔から我慢がならなかったので、雑音もヒスも無いCDを圧倒的に支持したい。ダイナミックレンジも広く、音割れすることもないのでまさしくデジタル録音が主流となっていく中で必然の選択だった。(唯一残念なのは、レコードよりジャケット面積が圧倒的に小さいCDではジャケットを鑑賞する楽しみは少なからず低減した)
クラシックレコードは、この時点で100 枚ほどしか所有していなかったので、原則として全部をCDに置き換える方針を立て、レコードプレーヤーは今後も買わないことにした。
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