僕とクラシック音楽とCD夜話(7)-最後のレコード
《最後のレコード》
高校生時代 受験勉強の合間にレコードに針を落とし、大音量で流れるクラシック音楽に包まれて暫しの間現実から逃避する時間が、至福の時だった。
その後、大学に進学してアパート暮らしを始めると、全くクラシックを聴かなくなった。
ボロアパートでは大音量で音楽など聴けないし、そもそも再生装置を置いていなかった。(所有するのはウォークマンのみ)
私の大学生活は、高校時代と異なり、ストイックに自宅にこもりクラシック音楽を聴いたり、読書に明け暮れたりなどしない。高校時代に抑圧されていた反動だろうか、毎日女の子とデートをしたり、仲間との飲み会や麻雀、パチンコ等に明け暮れた。
大学生活も半ばを過ぎて落ち着いた頃だったろうか、パチンコで大勝した帰り、電気店で現品処分していたSONYのミニコンポを衝動買いし、何枚かのシャンソンのLPとこのレコードを買って帰った。
ズビン・メータ指揮 ニューヨークフィル ベルリオーズ:「幻想交響曲」 1979年録音
このレコードは、直輸入メタル原盤使用の特性重量レコードだ。上の写真からは解り難いかも知れないが、ジャケットの写真もメタルっぽくなっている。
数年クラシックCD購入から離れていたので、レコードの最新の音質を知るため最もハイファイそうなこれを選んだ。(2,800円)-しかし、ボロアパートでSN比が分かるほど、大音量で聴くことはなかったのだが。
今は、同じ音源をこのBOXセットのCDで聴いている。せっかくのボックス物なのだが、ユニバーサル イタリア企画は何故かいつもオリジナルジャケット仕様ではないのが残念だ。
今聴いても、メリハリの利いたデッカサウンドは健在で、最近買ったゲルギエフ指揮ロンドン交響楽団のSACD盤「幻想交響曲」2013年録音より目鼻立ちははっきりしている。
デジタル録音草創期の録音の中には、キンキンするものもあるが、これはリマスターのクレジットが無いのに30年前の録音とは思えない。
一方、LSO Liveのゲルギエフの方は、一見おとなしげであるが、オーケストラの楽器のバランスがとても自然なのだ。(ライブとセッションの違いはあるのかも知れない)
話を戻そう。
結果として、メータの幻想交響曲が最後に買ったクラシックレコードとなった。
時代はCDへと向かっていた。
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