僕とクラシック音楽とCD夜話(3)-ジャケット買い
《ジャケット買い》
30年前、高校生の小遣いで買えるレコードは、月にせいぜいフルプライス1枚+廉価版1枚程度であった。
当時小遣い日は月末だったので、毎月、月初になるとレコード店を訪れてはこの2枚を選択するのが習慣だった。クラシックコーナーの全てのジャケットをめくってどれにするか決めるので、1時間ほどかかっていたと記憶している。
レコード芸術などの記事を見て、良さそうな候補を見つけておくのだが、最後の決め手は”ジャケット買い”である。
ジャケットを見て、その中のレコードから流れる音楽を想像する。
当時”ジャケット買い”した1枚がこちらである。
ムラビンスキ-指揮レニーグラードフィルのチャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」1960盤
ロシアの寒く暗い冬の街とそこにたたずむ女性を描いたジャケットがチャイコフスキーのシンフォニーの喧噪の裏に潜む憂鬱な影の部分を連想させる。
このシリーズは、チャイコフスキ-の交響曲4番、5番、6番があるのだが、当時の小遣いでは全部揃えることが出来なかった。
勿論、現在では僕も全ての音源をCDで所有しているが、ジャケットは異なる。
音源は同じだが、味気ない。
オリジナルジャケット企画(初出のデザインの紙ジャケ仕様)が一般的になりつつある最近のクラシックCD事情は歓迎だ。
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