僕とクラシック音楽とCD夜話(11)-モーツアルトを巡る旅
《モーツアルトを巡る旅》
最初にモーツアルトのレコードを買ったのが、当時定評があったこれだ。
カールベーム指揮ベルリンフィル モーツアルト:交響曲40番、41番《ジュピター》1961年、1962年録音
このご老体のモノクロ写真ジャケットもあって”モーツアルトの音楽は根暗で尊大な音楽だ”と思ってしまい、長い間、好んで聴くことは少なかったように思う。
しかし、CD時代になってまもなくの頃、出会った1枚によって長らく僕が持っていたモーツアルトに対する間違った印象は払拭された。
C.デイビス指揮SKD モーツアルト:交響曲第36番《リンツ》、第40番 1988年録音
録音の時代からしてもフルオーケストラでの演奏なのだが、これがベームの演奏と同じ曲か!!と思わせるジャケットの青空のように明るい軽やかな演奏だったとの印象を当時持った。
更にこの頃、映画《AMADEUS》を観て、モーツアルトが冗談好きの子供っぽい天才であり、当時は城のサロン(広間)で即興的に演じられることも多かったと知ったので、ベームのドイツ権威主義の象徴的な演奏は何だったのか?と考えてしまった。(しかし、ブラームスがそうであったように、今ベームのモーツアルトを聞き直したら全く違った印象を持った。リンツなどはコリン・デービスのCDより第1楽章が3分以上短く終わるほどアップテンポなのだ。決して軽やかではないけれど、久しぶりに聴いてみるとこれはこれで良いのだ。る)
最近では、時代考証に則したピリオド楽器や小編成でのモーツアルト演奏が多くなった。
C.ディビスと同時代の演奏だが全く異なるアプローチのアノンクールのこのCDは、管楽器の音が耳に刺さるのが気になって本質的な評価をする以前の問題がある。
アーノンクール&コンセルトヘボウ管 モーツアルト交響曲集 1980-1988年録音
マッケラス&プラハ室内管弦楽団 モーツアルト交響曲全集 1986~90年録音
最近よく聴く軽やかな演奏ならこの全集だ。
僕のモーツアルトを巡る旅は、まだ今も続いている。
理想のモーツアルトを求めて-
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